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2009年10月の御蔵島に行けなかった旅行日記

2009.11.19. 掲載

プロローグ

今回の旅行のきっかけは、私の写真展に来てくださった10年来の水泳の知人、はるさんが「御蔵島に行きたいなあ」と言ったこと。実は彼は昔、私と一緒に行くはずだったのですが台風が来て我々が船に乗るのを断念したのでした。しかしそのとき確か船はついたのです!!今回はそのリベンジということで。

さてはるさんと知り合ったのは当時の「ヤフー掲示板」今はもうとっくにトピック消えてますが、水泳というトピックで「泳ごう会」なるものを設立、そのオフ会でした。プールでみんなわいわいと泳ぐのですが、そのときの参加者にはるさんの他、kenさんがいました。このふたりとの出会いは私のその後の人生を変え、御蔵島にどっぷり?浸ることになります。

今回、はるさんと「kenさんも誘おう」ということになり、その輪が広がり結局当初は8人でいくことになりました。予約がとれるか心配だったのですが、無事とれた!一緒に行ったのははるさんご夫婦、kenさんとkenさんの友達3人(1人都合が悪くなり行ったのは2人)と、我々夫婦です。はるさん夫婦と私はせっかくの機会、延泊することにしました。はるさん夫婦は月曜まで、私は火曜まで休みをとったのです。

さて、東海汽船の乗船券の予約ですが、kenさんは特2等がいいとのこと、我々は2等でいいので、別々にしました。これがまさかあんな事態になるとは…

私ははるさん夫婦と我々夫婦の4人、予約したのですが意外にも「予約いっぱいです」とのこと。しょうがないので席なしで予約し、当日は早め(夜9時半頃)に行って並ぶことにしました。2等和室をキャンセル待ちするためです。

さてさて、楽しみにしている旅行、1週間前くらいから天気予報を見ていたのですが、ずっと曇りか雨の予報、さらに悪いことに南海上に台風が発生しちゃいました。でも台風は月曜でもまだ大丈夫と予想。天気は悪そうだけど海は黒潮もちょっとあがってきて寒くなさそうだし透明度もまあまあか?!完璧なコンディションのタイミングでは滅多に行けないので自然のなりゆきにまかせてまあとりあえず「上陸さえできれば」という思いだったのでした。

行きの船、御蔵島欠航に

ところが、ところがです。前日の天気予報では、ちょうど低気圧の前線が伊豆諸島を通り、波の予想は4m、しかも低気圧が(秋にしては?)発達する予報、こりゃまずいな…と思いました。宿からの電話はないかとはらはらしていましたが、ついに夜になっても連絡なし。東海汽船のページでは、三宅と御蔵が条件つきになってました。

個人的には「微妙〜!つくかな…?」と思っていたし、前回はるさんとあきらめたのに着岸したこともあったので、行く気まんまんで。はるさんからは9時すぎくらいに竹芝についたという連絡があり、我々夫婦も9時半前に到着。竹芝はすごいにぎわいで、なんか三宅島でイベントがあるみたい(「エコライド」というイベントでした)。だから席も満席だったんだ!早速船の列に並びました。先頭から3番目くらい?ヤッタ!!これで和室キャンセル待ち、大丈夫だ。もちろん2等和室がとれて、しかも奥まったいい場所。ゆっくり寝れそう〜!

同じ船に知り合いが何人も乗ってました、島の人も何人か見かけたので、「これは大丈夫なのかも」と安心。フリーダイバーとして有名なKazさんのツアー組も乗ってて。kenさんとKazさんは仲がいいみたいで、「飲みますか」というわけで、はるさんと私は飲み会に参加。「くらりっぱさんですか!」と私のことを(ネットで)知ってる人もいて。「はじめまして」そんなわけで1時くらいまでデッキで飲んでました。「そろそろ寝ましょうか…」わりとすぐに寝れました。結構ぐっすり。

毎度のこと、三宅に近づいたところの放送で目が覚めます。三宅は条件つきだったけど難なくつきそうだ、と思っていたところに「本日、御蔵島は港付近の海況が悪いため欠航です」の放送。「ナニーーーーー!!!」実はかなりパニックでした。何せ、三宅につく前に御蔵の欠航が決まるなんて相当海が悪いんだと思ったし、船がつくなら朝だ、と思ってたから。朝つかないってことは昼も…と頭をよぎります。

「三宅で降りる??」私の他、はる夫婦と私の妻も放送を聞いてたようで…どうしよう、でも三宅で降りて午後、御蔵についたらもったいない…可能性はなくはない。風向き次第だけど…

結局いろいろもめた結果、「とりあえず八丈島まで行こう」と。朝ご飯を食べて、「そろそろ御蔵沖だ…」

外に出てみると、すごい波!!!御蔵島は素通り。こりゃ、着岸できるわけないや…でも考えを改め、「いや、こういう波の中の島は滅多に撮れないぞ!!カメラ持ってこなきゃ!!」急いでカメラをとりに行き、撮影開始。いい写真が撮れると思ったのもほんの数分、突然大波が船の中までざばーーーーっと!!!運よく、背中を壁にくっつけて、後ろ向きに撮ってたので波はかぶらなかったけど、もしかぶってたら…大怪我したでしょう絶対。あと50cm前に出てたら骨折るくらいの感じでした。ぞっとしたけど、でも「ここで撮ってれば大丈夫なんだ」と。もう少しねばります。また波がきた!!やはり恐怖感で、さっきくらい積極的な位置にはいれず、中途半端な写真になってしまいます。しょうがないか、命のほうが大事だ…でももうちょっと!!と思って撮影しましたが、結局やめました。そのときはギョサンはいてたかな??とにかく、足はびっしょり、船に水たまりができてました。早朝のこと、波にさらわれることはないとしても、こんなところで怪我したら誰も助けに来てくれない、というか誰も気がつかないよ…。

寝て起きると、Hさんが。そうそうまたHさんと偶然にも会ったのでした。そしてショッキングな事実が判明。Kazさんチームとkenさんら3人は、三宅で降りて漁船で御蔵に向かったとのこと。Kenさんはくらりっぱのこと探したけど見つからなかったって…。ええー!!八丈島に近づいたとき、あれっ!!御蔵の人、みんな八丈で降りるん!?やっぱり昼もつかないのか〜?!八丈島について、宿に電話します。「昼どうですかねぇ…」「わからない」わからないってことはだめなんじゃん!と思いながらも、ひょっとしたらつくかも…と気をとりなおします。と留守電が入ってることに気がつく。7時頃、kenさんからでした。三宅から漁船で御蔵に来た、と。
それにしても…「漁船で?!」こんな荒れてる海の中、漁船で行くことなんかとても考えられないけど、そもそも漁船が三宅から出ること自体、考えられません。いや物理的には、というか漁師さんとしては運転できると思ってるので出せるのでしょうけど、東海汽船では行けないのに、漁船をチャーターしてまで、行く?!?!!?みたいな。Kazさんはツアーのお客さんかかえてるし、ツアーの人の中には京都からやってきた、御蔵はじめて、という人もいます。そりゃ、何が何でも行きたいのでしょう。三宅の人にとってみればそれで儲かるわけだし、まあ御蔵の宿も、全員キャンセルになるよりはずっといいでしょう。でもそういう人間の都合で、せっかくイルカが休める日が…と思ってしまいました。これについては午後にまた考えることになります。

前線はすっかりぬけたようで天気は回復し、いい感じに。波も、朝より穏やかになった感じがします。昼、御蔵に船がつくのは1時半くらいだから、もしイルカにいけたらすぐ行くことになるので、船で昼ご飯を食べちゃおう!と。御蔵島に近づいて放送が。「まだ条件つきですが、着岸作業に入ります」やった!港内に行くんだ。海もよくなったのかも?!外に出てみると、確かに風も南西向きみたいだし、島の東側だと西からの風はもちろん入りません。風が吹く反対側なので波も穏やかです。桟橋が見えてきたけど、波立ってる様子もありません。「これはついたな…!!」

まさかの欠航

荷物を2等和室から持ってきて降りる準備。御蔵で降りる予定の人は何十人かいたでしょう。みんな、外に出て着岸作業を見守ります。私がぱっと外を見たとき、「あれっ?」と思いました。遠いのです。何で港からあんなに遠くにつけるんだろう…嫌な予感。やがて「ああ〜!!」という悲鳴が。聞くと、ロープが届かなかったとか。もう桟橋までは20mくらいなのです。ようやくロープが桟橋に届いたみたい。拍手がわきます(笑)なんなんだ…。でもこれでようやくつくなー!!と思って外に出てみると、「あれ??船、前に進んでない?!うそ、うそ…あれ〜島の人が手をふってる!!」そのとき、放送が入りました「御蔵島は欠航です」

ガーン!!!!!信じられない…まさか、往復欠航とは!!もう少し操縦がうまかったらついたんじゃないか?!と思ったけど考えてもしょうがない。御蔵、つかなかったら三宅で降りよう、と決めていたので、といっても宿もとってないので、三宅島観光協会に電話し、宿をとってもらうことに。確認したところ、「降りて大丈夫」と。(※三宅島はキャンプ禁止です=宿がとれてないと降りちゃだめです)

そして嫌〜なことが。妻が「漁船誘われなかった?」と。誰かが、また漁船をチャーターして、三宅から御蔵に行こうとしてるのです。イルカが気の毒になってきました。「俺は行かないよ…」はるさん夫婦にも確認し、漁船は乗らないことにしました。

確かに、私も、みんなも、イルカと泳ぐために、わざわざ御蔵島まで行くのです。特にはるさん夫婦は前回のこともあるので、余計にイルカと泳がせてあげたいと思っていました。でも、自然環境が悪いのに、そこまでして行くべきだろうか??ご存知の通り、御蔵島では「エコツーリズム」を何年も前から実施していますし、1日に海に出ていいイルカ船の数も制限しているのです。海が荒れたときは、イルカが落ち着いて休めるときではないのか?そんなイルカたちの邪魔をしてまで行きたいのか?もちろん「イルカと泳ぎに行く」こと自体、人間のエゴで、イルカが寛容にも海にざぶざぶと入る人間を容認してくれているのですが、最近マナーがよくない人も多くなってきたことを耳にしますし、あまり人間がイルカを追い回しすぎると島からいなくなってしまう気がして…。イルカも頭いいですから。もちろん、イルカイルカ!!とイルカを追っかける人ばかりではなく、イルカに優しく…をモットーにドルフィンスイムをしている人はたくさんいると思います。でも「せっかくはばる来たのに」「せっかく滅多にとれない休みをとったのに」といっても、それは人間の都合でしょう…。御蔵島に行くということは、そういうリスクも知ってて来るのですから。短絡的には、無理してでも島に行ったほうが島の人も儲かるし、観光客も満足するし、いいのかもしれない。でもそういうことが続くとやがてイルカがいなくなり、みんなが困ってしまうのでは。何よりもイルカがすむ島というそのかけがえのない財産が消えてしまうのでは…。もちろん、御蔵についた人がいるということは、私にとって何よりもうらやましいんです。私は9月の連休も結局行けませんでしたから。今回は何が何でも上陸したかったんです。でも、さすがに東海汽船が欠航になったら、すっぱりとあきらめなきゃあ、なあ、と。

お勧めの本があります。 以前、アフリカ旅行に行った後に読んで、面白かったけど、近々またアフリカに行きたいのでまた読んでみたら、かなりいいことが書いてありました。アフリカのサファリ(野生動物が住む保護区などに、4WDなどの車で野生動物を見にいくツアー。ドルフィンツアーの陸版のようなものです、ただ違うのは車から一歩降りたら命の保障がないことでしょう)と、御蔵島のドルフィンスイムは似てるな〜と、アフリカ旅行のときに思っていたのですが…少し引用させていただきます。

『晴れ、ときどきサバンナ 私のアフリカ一人歩き』
滝田明日香
幻冬舎文庫
ISBN978-4-344-40911-8

p.44
私は何も知らずに、アフリカの自然はまだ人の手に侵されていない最後の楽園だと信じていた。そんな私の目に映ったのは、私が今まで見たこともないほどの大きな大きな動物園だった。自由気ままに草木を車で踏みにじりながら、動物につきまとう人達。それは、朝早くから夕方遅くまで続く。そして、食事、昼寝、交尾、すべての瞬間を見逃すまいとカメラが待ち構えている。これではまるでストーカーだ。私に一番悲しく映ったのは、そんな環境に慣れてしまった野生動物の姿かもしれない。

p86
保護区内に流れ入る車は草木を踏み倒し、大地に数え切れない傷跡を残しながら、朝から晩まで動物達を追い回す。一匹のチーターに車が六台も七台も離れることなくつきまとい、ハイシーズンにもなれば車が二十台にも上ることも珍しくはない。手が届きそうなほど車を接近させて、大きな声で「ライオンよ、ライオンッ!」と騒ぐ女の子達。動物がすぐ傍にいるのに、隣の車の友達に物を投げてはしゃぐ青年達。寝ている動物をカメラに収めたいがため、車の屋根をバンバン叩くオジサンやオバサン。動物に接近しすぎたために乗り越えた岩の上で動けなくなり、けたたましいエンジン音を立てている車。このような行動に、野生動物や自然に対する敬意があるのかを考えてみるべきだろう。

では、作者はサファリツアー自体を否定するのだろうか?いや違う。

p.85
しかし、環境破壊がひどいからといって、マサイ・マラを訪ねる人達に無理矢理オフロード・ドライブをやめさせることは、物理的にいって不可能に近い。マサイ・マラには、毎日何百もの人がやってくる。観光客が楽しむことができなければ、保護区を守るための収入がなくなってしまうので、ドライバーはおろかロッジ自体が経営できない。つまり、マサイ・マラ保護区自体が生き残れないことになる。訪ねる人あってこそのマサイ・マラなのだ。

自然相手のため、必ずしも想像通りになるわけではないが…

p88
自然界の珍しい動物を見られるということは、ついているということであり、見られなかったからといって気分を害するのは間違っている。自分が想像していた場所や人達が期待はずれであっても、その違いを笑えるような心の余裕が旅をいっそう楽しくするのではないだろうか。狩をするライオンやヌーの大移動は素晴らしいけど、自然界の素晴らしさは草原にいるインパラや大空をはばたく鳥にもある。ガイドに動物や植物がどのようにして一つの生態系で共存しているのかを説明してもらったりして、自然に関する知識を増やしてほしい。何も知らずにいると、サファリの最中も無関心で、経験から何も得られない結果になってしまう。

自然との共生、これはアフリカばかりでなく、我々に課せられた課題だと思う。

御蔵島はどんどん、どんどん、遠くに、小さくなっていきました…

10年ぶりの三宅島に

西風が強いらしく(だから御蔵もつかなかった)、三宅島は三池港につくことに。観光協会から連絡が入り、宿の名前を教えてもらう。「つくば」。御蔵に着岸しなかったので、東京により近い三宅島では払い戻しとなるらしく、船をおりるときに乗船券は渡さないでとのこと。天気はすごくいい。降りると宿の人、すぐ発見!それがまたいい〜感じのおばちゃんで。「車かしたげるから乗ってきて」と。払い戻しもしないとというと、東海汽船はあそこだから、まあ一緒に行こうということで、おばちゃん運転の車と、はるさん運転の車(笑)で乗船券売り場までいって、払い戻す。「なに、御蔵に行くはずだったの、台風もきてるし、御蔵いったら戻ってこれんかもしれんよ」などと言う。いやいや、台風の影響はまだ来てないと思うんですけど…でも島の人がそういうってことはそうなのか?!明日の朝は御蔵に行く気まんまんなんですけど…。「何か予定あるの、車貸してもいいよ、一人1000円で。レンタカーすると高いよ」と。あれ、ただで貸してくれないんだ、まあいいけど、4人で借りると4000円?!夕方までだと2〜3時間しか乗れないんですけど…と、同じ宿に泊まることになったらしい、同じく御蔵に上陸できなかったカップルが「レンタカーするなら一緒に乗りたいです!」「免許持ってる?」「持ってません…」「一緒に連れてって」「でも車は4人乗りだよ」結局、別行動することに。 車2台で宿へ。港からはわりとすぐだった。5分くらいか。と、kenさんから電話が!!謝りの電話だったけど、こっちはこっちで、三宅について何か楽しいのだ。「気にしないでください」と言って電話を切る。結局レンタカーはやめた。借りるなら明日か。はるさん夫婦はすぐに用意して、ランニングかウォーキングか、出かけてしまった。うちら夫婦もランニングの用意をして、私はDP1も持って、出発!!三池港からは長太郎池はわりと近い。携帯メールで友達にお勧めを聞くと、太路池とかアカコッコ館もいいよとのこと。昼ご飯はハート会の店がお勧め?ふむふむ。太路池、地図でみると、行けそうな距離。

ランニング、楽しかった。途中で小学校、中学校のあるところに行ったら、小学生がいて、むこうから「こんにちは〜」と。癒される…生き生きしていて、いいね。中学校の校庭を見るとびっくり。巨大な岩が、ごろごろと…これって噴火で飛んできたままなのか?!引き返すとまた小学生がいて、絵になる〜!!よっぽど、写真を撮ろうかと思ったんだけど、撮らず。後で非常に後悔したけど…

「エコライド」というイベントをやってて、参加のみなさん、チャリでゆたたーーーり、それぞれのペースで島を1周しているのでした。それもまた癒しの体験。だから東海汽船が満席だったのですね。

長太郎池、よかった。波がざっぷんざっぷんでとても海には入れなかったけど、大波が太陽に照らされ、とってもきれいだった。しばらく撮影してしまった。その後、さらに西へ。太路池(たいろいけ)に行こうと道を曲がると、遠くから「プップー」と鳴らされる。俺たち?違うか…と進むと、その鳴らした車がこっちへ来る!何だろうと思ったら、おばあちゃんが降りてきて、「あんたたち、太路池まで行くんだったら、道路まっすぐじゃなくてそこの降りるみち(階段)を降りたほうがいいよ、道路いくと結構大変だよ…」とわざわざそれを言いにきてくれたのだ。ほっこり。「どこに泊まってるの」なんて会話から話ははずみ。そうしたら、はるさんご夫婦が階段を上ってきた!「長太郎池で写真撮っちゃって」「ではまた」

太路池、想像以上にいいとこでした。鳥の鳴き声いっぱい!ちょっと霞んでて神秘的な景色。癒されました〜

そしてすぐそこの「アカコッコ館」へ。あ、閉館したばかりだった…。さらに西へ走ると、「夕景浜」ってのがあるらしい!夕日スポットみたい。天気もいいし、そこまで走ってもいっか〜ってことになったけどさすがにそれでは夕食までに間に合わない。夕景浜行って、バスで帰ろうか…と時刻表を見ると…いいタイミングでバスがない。これでは体も冷え切っちゃうし、夕飯にも遅れるかも…てことで、あきらめて、アカコッコ館をスタートして宿までランニング。

いい汗をかいて宿に戻ると、結構お客さんがいてみんなおふろタイム。はるさんたちもまだふろに入ってないという。てことで、汗だくになりながら結構待ってて…夕飯にはとれたての刺身が出ると聞いてたので楽しみに待つ。やっとお風呂があいて入って、夕飯。三宅島、想像以上にいいところだ〜!!!

明日の天気予報(19時前のNHK)を見ると、御蔵、明日は問題なく船がつきそう。でもあさっての天気はよくない。ここで強引に行って、朝ドルフィンスイムして帰ってもしょうがないかな、それなら明日半日、三宅を満喫して帰ればいいかなと思うようになった。御蔵に行けず三宅で降りたカップルも夕飯一緒で、彼らは夜のコンサート&星空観察会に行くという。自己紹介がてら名刺を渡す。「HP見ますね!」ってみんな言ってくれるんだけど。「行ってらっしゃ〜い」夕飯おいしかった!三宅産明日葉もたくさん食べました。刺身も絶品!!

夕飯後、はるさんがりんごをくれました。いやー、走るといっぱい食べれる。私の妻が「甘いものが食べたい、プリンとかないかな」と言い出して、プリンを探しに外に行くことに。もう20時近く…商店てもう閉まってるでしょ、いやでも散歩がてら…というわけで、結局プリンはなかったんだけど、気持ちいい夜の散歩でした。空には満月くらいの月が。星は月が明るすぎて見えないかもね…なんて言いながら。戻ってきて宿の脇の飲み屋さんにも「甘いものありますか」「ないね」ということで、寝ました。宿のおばちゃんも「明日は御蔵は行かないよね」「はい、やめときます」

10年ぶりの三宅、半日だったけどあっという間にすぎ、それはそれは素敵な体験でした。

三宅島を1周

次の日。ちょっと早起きして、夫婦で散歩。私はカメラ片手に撮影がてらまわり、途中で別行動することに。波はずいぶんおさまったよう。朝食後、宿の庭でコーヒータイム。はるさんがコーヒーをわかしてくれたのだ。私が持ってきたチョコを差し出す(旅行時の私の必需品)。朝食の時に、今日はちょうど三宅高校の文化祭だと聞く。「行きたい」と素直に思った。1年に1度、これを逃したらもう来年なのだ。一方、レンタカーをして島一周するという話もあがっていた。妻は、「私は島をランニングしたい」というので単独行動、西側の温泉で合流して一緒に温泉に入って、ご飯食べて帰る予定とのこと。はるさん夫婦は島一周するとのこと。2人で使うから、2000円?3000円にまけてもらおうかと言う(笑)でも合流してからは4人乗るのだ。後から聞いた話だと、宿のおばさんは少なくていいよと言ってくれたそうだが、はるさんはちゃんと4000円払ったそうだ。宿のおばさんの話だと、今日は三池港だと思うとのこと(三宅島は、昼便(14時)は12時ころにならないと船が来る港が決まらない)。

文化祭を見たい、という強い気持ちもあったが、一人でずっと見てるのもなんだし、時間があればちらっと見たいと思い、島一周することに決めた。はるさん夫婦と3人で、おばさんの車を借りていざ出発!!

左周りで島をまわったが(ということは必然的に三宅高校は通らず、結局行かなかった)、出発して早速、三池港付近の異様な光景に言葉を失った。「すごい…」目にとびこんできたのは噴火後の島の姿。木が全部枯れている。昨日ランニングしたあたりは緑が結構あったのに、こちらは様子が違う…。灯台のところを散策するが、足元は黒い溶岩。すごい…

その後も、自然のすごさをひしひしと感じ、島一周でよかったかも、と思った。

「このへん泳げるかなあ」とはるさん。もともと御蔵島にイルカと泳ぐ予定だったのだ。しかし今回は一度も海に入っていない。「少しくらいは泳ぎたいなあ」私もはるさんと泳ぐのはほんと久しぶりである。ついに、西側の交番の裏の海水浴場に入ることに決めた。しかし待ち合わせ時間まであとわずか。軽く海につかる程度だ。はるさんと私の2人で海に入った。冷たいと思いきや結構温かい。23〜24度くらいだろう。思いっきり体を動かして、三宅の海を泳いだ。5分くらいだったと思うが、楽しかった。

妻と合流後、温泉へ。「10年前来たところだろうか…」記憶が定かでない。来たような来なかったような。でも10年前も温泉は1箇所だけだったとするとここだろう。露天風呂があり、そこに出てみると、「ここだった気がする…!」ぬるかったが、本当の温泉だった。ゆっくり入って旅の疲れを癒す。

「そうだ、東海汽船」温泉を出て、チケットのことを忘れていたことに気がついた。急いで東海汽船に電話する。むこうのおねーちゃんがよく話を理解してくれなくて(そりゃそうだ、3人は月曜の御蔵〜東京、1人は今日の御蔵〜東京を、4人とも三宅〜東京にしてくれというのだ)時間がかかる。「昼飯に行こう」「どこに?」「友達に教えてもらったハート会ってとこに行ってみよう!」

ハート会は周遊道路脇にある。おばちゃんたちがやってる、非常にほっこりする店だった。お土産も売ってるし、弁当も売ってるし、ご飯も食べられる。たくさん買い物をしてしまった。帰りの船で食べる夕飯も…。

宿に戻るとなんだかすごい車がとまってる。もう港に行く時間(やはり三池港だった)。急いで荷物をまとめて、港へ。結局最後まで、はるさん運転(笑)あわててたけど、時間は全然余裕だった。

ぼーっと船を待つ。今日は昼前から雨の予報だったけど、全然降る気配はなかった。やがて東海汽船が来た。kenさんたちも乗っているだろう。

船に乗り込むとkenさんたちに会った。そして出航するとき、イベントが。エコライドの人たちが港に向かって一斉に紙テープを。いい記念になった。昼ご飯を食べて、少し寝て、はるさん夫婦と我々夫婦でずっと、デッキ席でいろんな話をした。夕日がきれいに沈んでいく。いい夕日だった。と、反対側から月も出てきた。まんまるい。どんどん暗くなって…やがて竹芝へ。

御蔵に行けなかったのは残念だけど、今回はそれ以上の収穫があったのかもしれない。三宅島、またぜひ行きたいと思った。