図書館で偶然目にした(そこにおいてあった)本。
『デジタルカメラを生かす鉄道写真』(東京堂出版,2006年)。
鉄道写真家としてあまりにも有名な広田尚敬先生の本。
何気なくふーん…と思い、借りて読んでみてるのですが、面白い!!これ、自分で買おうかなぁって思うほどです。
その中で非常に興味深いことが書いてありました:
「例えば望遠で列車を画面右に置き、ぼけた空間を左に大きく設けたとしましょう。左目では正常に見えても右目では構成をいじりたくなるはずです。逆に列車を左にして右にぼけた空間を持ってくると、右目で見たほうが安定しています。これは人間常に、左目で物を注視するとき左側に空間があることに慣れ、右目では右に空きがあることが自然だからかもしれません。」(『デジタルカメラを生かす鉄道写真』(東京堂出版,2006年)、p198)
そして続けて、「こういう写真は左目で見たほうがぐぐっとくる」という例があったのですが、なるほどその通り!!不思議です。先生はこのことをどこかで書かれたようですが、反応はいまいちだったとあります。私の友達の間では大反響だと思うのですが(笑)これは「写真的にはかなり重要な問題」と書いてあります。
まだ途中ですが、先生の鉄道に対する愛情がものすごく感じられる本だし、写真です。もとはカラー写真でも白黒印刷なのですが、本当に鉄道のことを愛してるんだなとひしひしと感じます。先生の愛情に感動しています。
このところ、自分は明るいレンズや超望遠レンズ、レフレックスレンズ、超広角レンズなどで撮影を楽しんでいるのですがどこかで「人とは違う写真を撮りたい」という気持ちがはたらき、標準レンズで多少絞ってという写真(つまりは素直な写真)は(コンパクトデジカメ以外)ほとんど撮りません。ところがこの本は、自分が感動すれば標準レンズでも素敵な写真を撮れるということを教えてくれます。
逃げてばかりじゃだめですね。「感動した世界を写す」という原点に帰りつつ、「この感動を写すためには…」という先にレンズの選択があるのだ、としたいですね。
イルカ撮影の参考にもなりそうです。
…ちなみに、私は左目です。水中でも左目で小さいファインダーを見てます!