2005年 イルカ撮影について雑感
〜心のこもった一枚を〜

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デジタル一眼をハウジングに入れて、イルカを撮影すること 2年目。去年のEOS-1Dに加え、今年は1600万画素のEOS-1Ds MarkII、 また絶品の写りといわれるEF14mmF2.8Lを投入、しかも去年1年間 で画質に不満が残ったので、+αの工夫をしました。

「出会い」2005.4.撮影 EOS-1DsMarkII, 14mmF2.8

とびっきりの贅沢な機材を使い、そして今、私の心に残ったこと 。それは「写真は心で撮らねば」ということです。 いい写真は何か、という議論はありますが、 贅沢な機材を使ったからいい写真が撮れる、画素数が多いから いい写真が撮れる、ノイズが少ないからいい写真が撮れる、 そうではないということです。使い捨てカメラでも、コンパクト デジタルカメラでも、一眼レフに勝る写真を撮れ ると思いますし、「いいなぁこれ!」と思うそういう写真を たくさん見てきました。どんなにイルカがたくさん写ってても、 どんなにイルカの表情が面白くても、それを通して作者が 何を伝えたいか、がないと、ただの「きれいな、よく写ってる 写真」にすぎません。きれいな写真は、最新の機材を使えば 当たり前に撮れるのです。

2005.8.撮影 EOS-1DsMarkII, 15mmF2.8 FISHEYE

去年の撮影雑感 で、「2005年は一瞬をテーマに写したい」と書きました。それは ある程度実現できたのではないか、と思います。しかし、何か がまだまだ足りていません。自分がイルカの写真を通じて何を伝えたい のか、漠然としたまま撮ったことが多かったのです。中には本当に イルカとシンクロして撮った、自分の気持ちがこもった写真も撮れ たと思っていますが、そういう写真を目指していこうと思います。

カメラもどんどん進歩し、今私が撮ってるような写真は多少泳げる 人なら誰でも撮れるような日がくるはずです。でもみんな同じ 写真じゃ...つまんないよね。イルカ写真といえば、正面からイルカが いっぱいくるとか、一緒に泳ぐとか、深くから逆光でシルエット とか、そんなのは○○さんしか撮れない、とはなりませんよね。 +αの個性とか、そういうものが作品としては必要です。

イルカ写真の構図、絞り、シャッタースピード、光の向きや加減 についてはこの2年間でかなり研究しました。色の研究も2年間 悩みました(まだ未解決の部分が..)。これまでは、一応「こういう 感じの写真を撮りたい」と1回1回テーマがあって海に入るものの、 「海に入ってからイルカの動きに合わせて撮る絵を決める」という 具合でしたが、来年は、 「こういう絵を撮りたいからこの(天候、海、光などの)条件のとき にイルカがこうきたところを撮る」という具合にかなりイメージ に近づけて撮りたいと思っています。そのためには限られた時間しか ないため、あらゆる条件下でのシーンをイメージしておく必要が あるのですが..

話はそれますが、最近、鳥を撮りだしました。11月〜12月にかけて、カワセミ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、イソシギ、タヒバリ、コサギ、アオサギ、カワウ、カルガモ、スズメ、ムクドリ、キジバト、ハシブトカラス、他、名前がわからない鳥(笑)など。実はイルカ撮影の参考になっています、それもかなり(笑)いい写真を撮るにはあらかじめイメージが必要なこと、光やタイミングの全ての条件がそろうこと、そして「一瞬」(0.1秒単位の!)を逃さないこと、などがイルカ撮影と同じではありませんか。ただ漠然ととまった鳥、飛んでる鳥をとってもよほど幸運でない限り決して「作品」にはなりません。そしてただ「鳥」だけでなく、その鳥の環境なども多少説明的に写そうとするとさらに難しくなります。 イルカは14mm〜30mm相当の(超)広角、鳥は700mm〜900mm相当の超望遠と全く異なりますが、作品という点ではすごい共通点がありますね。

2005.11.撮影 ムクドリの水浴び EOS-1D, 500mmF4.5, x1.4(910mm相当)

今年、非常に残念だったこと。撮影チャンスの惜しさに、どうしても 使い捨てカメラを持って御蔵の海に入ることができませんでした。 来年はぜひ初心に戻り使い捨てカメラも活用して、すごいカメラ じゃなくても心のとびっきりこもった1枚を撮りたいと思って います!それと同時に、「イメージに近い写真を撮る」という 目標のもと、最新のカメラも導入して、心に訴える写真を撮って いきたいと思います。

最後に今年一番感動してイルカと泳げたのは、カメラなしで海に入った、8月末のドルフィンスイムのときだったことを付け加えておきます。

2005.12. くらりっぱ

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