2008年 イルカ撮影について雑感
〜「撮る」から「訴える」へ:単なるイルカ写真以上のものを目指して〜

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デジタル一眼レフによるイルカ撮影をはじめて3年間、2007年までは技術的なことを中心に、感動を呼ぶ写真の撮影方法を考えてきました。 2007年撮影雑感では、2008年は色と構図という2つをポイントに、感動がストレートに伝わるような個性的な表現を目指すと書きました。「2009年で、御蔵島に通いはじめて10年になるんです。この節目の年の前、2008年は何かしら自分のスタイルを確立したいと思っています」とも書きました。

右の写真はフォトコン2009年1月号に入選した写真。感動をストレートに伝える写真のいい例だと思います。撮影したのは2004年4月、この旅行ではじめてデジタル一眼レフでイルカを撮ったんです。自分では結構お気に入りだったんだけど、なかなか入選しなかった作品。トリミングしたり、プリント時の質感やコントラストなどをいろいろ工夫した結果、ようやく入選しました。イルカが挨拶してくれてるようで、見ていて楽しくなります。画面を少し傾けて変化をつけています。また海底の玉石の様子もこの写真のポイントです。これがないと御蔵島ってわかりませんから。

「こんにちは。」
フォトコン2009年1月号 入選

そしていよいよ2008年、4月からのイルカシーズンに備えてイルカ撮影について考えていたとき、第33回JPS展の入選通知が届いたんです。あけてびっくり、ただの入選じゃない、入「賞」です!プロも応募する日本を代表する公募展で、入賞しちゃいました。。 東京展は5月〜6月に、東京都写真美術館で開催されました。自分の写真が東京都写真美術館に飾られるなんて夢のようでした。

しかしその本当のすごさは表彰式で明らかになりました。私と同じ賞をとった方々は、ペンタックスやオリンパスのデジタル一眼レフが副賞でした。上位入賞の人はキヤノンの5D+プリンターとかだったり…。私がいただいた副賞は「○○○○ギャラリー使用権無料」というものだったのです。よく読むと写真のプリント代などはかかるようなのですが、2009年に何かやりたい、と思っていた矢先です、これは「個展をやりたい」と思ったわけです。 自分の写真で、がんばれば何かの機会をつかめるんだ、とはじめて思いました。コンテストに入選しただけで喜んでいた自分が小さく見えました。

2008年の撮影テーマは、ただ単にいままでの延長線上で撮るだけでなく、「写真展のために撮る」ということになりました。今まで、コンテストのために写真を撮っていたという側面もあります。しかし、これからは自分の個展を構成する上で足りない写真、展示したい写真を撮らなければならないと感じました。1枚の写真だけではなく、複数の写真で何を表現したいのか、写真家として何を訴えたいのか、より明確にする必要性を感じてきました。ただ技術だけじゃない、技術はあって当然で、その上に表現力が要求される、表現者・写真家としてのチャレンジがはじまりました。

御蔵島に通いだしてから早9年。課題であった自分のスタイルは、2008年までに確立できたのではないかと思っています。「感動がストレートに伝わる写真」も確かにいいけれど、他の人と同じような写真をたくさん撮ってもしょうがない、9年間も通っていていつまでも同じような写真を撮っていたらだめなのではないか、と思うようにもなりました。今までチャレンジしていなかった、全く新しい表現方法を追求できないか、ということを強く思うようになりました。 また何かを訴えるにあたって、感動する写真ばかりでいいのかどうか、ということも気になってきました。

2008年の撮影旅行で特筆すべきことは、小笠原に2度行ったことです。2002年はじめて行った以来の小笠原。御蔵島と小笠原のイルカの違い、海の違いを改めて感じました。特に3月の旅行では、2月に捻挫した右足首が治らず、左足だけフィンをはいてイルカ写真を撮ったりしましたが、イルカを撮影中は不思議と右足首の痛みを感じなかったのです。はじめて鯨(ザトウ)を見たのもそのときです。6月の小笠原旅行では海にも山にも行き、大自然を満喫してきました。

6年ぶりの小笠原。陸(DP1)と海(デジタル一眼)それぞれで入選

御蔵島のお祭り(8月)にはじめて参加したのも、2008年で大きかったことです。4月の御蔵島では、最高のコンディションで8GBのメディアを撮りきったし、5月のゴールデンウィークに御蔵島に行ったのもはじめてでした。 また2008年3月に発売されたシグマのDP1もひそかに私にとって大きな影響を与えました。DP1で撮影した写真数枚は個展に展示しようと考えています。 その他、御蔵のたけのこをもらったこと、捻挫の治療でお世話になったこと、などなど…お世話になりっぱなしでした。家で明日葉を料理したり、御蔵島産の天草から寒天をつくったりもしました。

2008年4月、はじめて御蔵島をDP1で撮った

いつ行っても新しい感動がある御蔵島。新しい表現に挑戦した1年はあっという間に過ぎました。失敗写真はこれまでの10倍以上は撮ったと思います。新しい表現のきっかけは十分につかむことができました。どういう写真なのか?!それは秘密です!!たいしたことないかもしれません。2009年も挑戦していきます。写真展で明らかにしようと思っています。

2009年夏、個展を開催する予定です。4月頃には具体的に発表できると思います。たくさんの方々のご来場、お待ちしています!

<イルカ写真掲載の基準について>

くらりっぱはコンテストを通して全国の写真家と競いながら写真の技術を高めていきたいと思っています。 コンテストによっては、個人のホームページに掲載した作品は公表したものとみなされ、応募できない場合も あるため、コンテストに応募する予定の作品は基本的にはホームページ(およびブログ)には掲載しないようにしています。 御蔵島に旅行に行った際につくるスライドショーは別格で、コンテストレベルの写真でもスライドショーに 入れるようにしてはいますが、そのかわり、期間を限定し、パスワードを入力しないと見れないようになって いるため、「公開」にはあたらないと思っています。しかし、本当にお気に入りの場合はスライドショーにも入れない写真もあります。

また2009年の個展(予定)において発表する作品は、すでに掲載済のものを除き基本的に掲載しません。せっかく個展に来て、ホームページに載ってる写真ばかりではつまらないと思うからです。 コンテストで入選した作品は自由に使えない可能性もあるため、個展で発表したい作品は基本的にはコンテストにも応募しないことになります。

つまり、このホームページに掲載する写真は、くらりっぱのとびっきりの写真は(入選作品以外は)掲載 していないのです。感動の写真を期待して、このホームページを訪問してくださる方々を裏切ることとなって いますが、ご理解いただけますようお願いいたしますm(__)m

2009.1. くらりっぱ

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