私は実力もない頃から、今から思えば恥ずかしい限りだけどハイレベルの写真コンテストに応募してきた。どういう写真がいわゆる「いい写真」だかわかりもせずに。そして、いつも落選。
写真ではじめて入選したのは、e-Photo旬の写真館、2002年6月の「おはよー」だと思う。とにかく、人がなんといおうと自分がいいと思う写真を出していて、「たまたま」うまく撮れたイルカ写真で入選。撮ったすぐ後に「これはいい」と直感的に思った写真だった。幸運にもこの写真はその後、e-Photo旬の写真館のトップページ写真の1枚に選ばれている。
それから年に何度か入選するようになったけど、レベルの高い写真3大雑誌やフジのフォトコンなどのいわゆる「ビッグコンテスト」はからっきしだめだった。
幸運にもコンテスト入選の常連さんの知り合いも増え、いろいろ相談してみると、「とにかく出していると実力がつく」ということらしかった。
その後、いくつかの大きいコンテストには入選できたものの、いまだ、レベルの高いコンテストは落選、落選。
落選しても、「それだけ」。本当に「ただ出す」だけで実力なんてつくのか、とずっと思ってきた。
しかし、最近、その考えが変わった。出すだけで、落選しても実力がつく、いや、落選すればするほど、力がつくんではないか、と。
落選した写真は、応募の時点では「これはすごい」と自分なりに思っていても、客観的に見ると入選レベルに達していないということ。何か訴えるものがないということ。
例えば雑誌で同じ号に入選の写真と比較できるので、写真に何が足りなかったかがわかってくる。そして、その号の審査員のコメントを読み、自分に何が足りなかったか考える。
また、自分が本当に「いい」という写真が落選する場合でも、他のコンテストに何度も何度も出してみる。でもやっぱり落選。デジタルだったら、現像から、プリントから、全部やりなおしてみる。そうすると、現像が甘かったり、よくよく見てみると色がうまく出ていなかったり、よーーーーく見ると、ゴミつきの写真だったり(!)、「なーんだ、これは入選するはずないよな」ってわかってくる。
入選したら、それで終わり。「やった!」という思いと同時に、その写真に関して最初から細かく見直してもっといい写真にしよう、とはあまり思わないでしょう。
落選して、「だめだったか。まぁしょうがないか」て思ってしまう写真ならそれまで。「なんで審査員の先生はわかってくれないんだ」と思えば、もっといい写真にして再び挑戦する。
落選しても「予選通過」する場合もある。そうすると「先生は出した中でこの写真に注目したんだ」とわかる。他の写真とその写真は何が違ったか、考えてみる。
そうやって、自分の写真を見る目が磨かれていくように思う。「今度はこうやって撮ってみよう」とイメージがわく。
去年1年間、日本フォトコンテストのネイチャーフォト部門に応募して、審査員の先生の「プリントを見る目」がとても厳しく、自分なりにかなり研究した。
「ポジからのプリントと同等レベル以上でないと、デジタルの入選は難しい」とのメッセージ。自分の家での印刷に徹底的にこだわった。自分で「これはいい」と思う写真を何十枚も出した中で1枚、偶然うまく撮れたイルカ写真でついに特選に選ばれた(→入選作品集,日本フォトコンテスト2005年8月号で入選)。
去年、落選ばかりでなかったら、こんなに印刷にこだわらなかったと思う。そして現在、去年のレベルよりは数段上のレベルで、自家印刷できていると思う。
ちなみに雑誌・日本フォトコンテスト4月号で運よく入選できましたが、何度も何度も落選して、本当にプリントにこだわった1枚です。雑誌ではよくわからないと思いますが、3/20発売ですので、ご覧ください!
5月号は連続入選目指して、本当に渾身の写真を出したのですが、、、何も通知なしです(涙)
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