カテゴリー別アーカイブ: 御蔵島のイルカ撮影

フィルム、がんばれ!

ANIKI横浜さん、マロの父上さんなど、フィルムがんばれ派ですが、私も撮影のほとんどはデジタルとはいえ、フィルムがんばれ派です。
懐かしい写真をトップページに載せてみました。2003年にはベルビア100、ベルビア100Fというフィルムが出ましたね。海でどんな色が出るのか、わくわくしたものです。
ポジは、撮ったそのままの色となるので、ほんとに一発勝負というか、露出も適正でないといけない(0.3EVもずれちゃだめですね)し、ノートリで撮れないとスライドとしてだめですしね。しかも1本のフィルムで36枚しか撮れない。そういう制限が多い中で、1枚1枚、気合いを入れて撮ったものです。
ネガは色をいじれますが、しっかりと撮れてないと破綻します。そのやわらかな階調というか、御蔵の海を撮るときはネガも結構好んで使います。
普通、海といえば真っ青な明るい海を想像しますよね。例えば沖縄の珊瑚礁とか。ところが御蔵の海はどっちかというと暗いイメージで、色も青でない気がします。
ポジで撮ると確かに青なのですが、ネガで撮ると、不思議と緑がかった色に仕上がるんです。
<<ポジフィルムで撮影した写真>>
ニコノスV、UWニッコール20mm、プロビア400F

↑クリックで拡大します
<<ネガフィルムで撮影した写真>>
ニコノスV、UWニッコール20mm、VENUS400

この色はレンズにもよるみたいですが…
ちなみに、デジタルで撮っても、やや緑がかって写りますね。デジタルだとホワイトバランスどうのこうのといいますが、要は自分が見た色を、記憶の中の色を、イメージの色を出せればいいと思っています。
私のデジタル作品の色は、フィルムの色をベースにつくっているんです。どちらかというとネガ調ですね!
今年はフィルムでもたくさん撮りたいと思っています。
フィルムにより、色も違ってくるのでそれも楽しいです。

オリンパスのデジカメ E-330、μ720SW 水中は?

E-330、かなり注目されてますね。
私のブログでも、最近のアクセスのトップ項目であります。
E-330、サンプル画像が出てますね。

http://dc.watch.impress.co.jp/cda/review/2006/02/08/3156.html

http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2006/02/09/3148.html

高ISOでも、かなりノイズが少なそうですね。いい感じじゃないですか!
魚眼もしっかり魚眼ですしね。
μ720SWのサンプル出てほしいですね。公式サイトではまだ準備中です。
注目度が高いので、ちょっと慎重なのでしょうか。

http://olympus-imaging.jp/digitalcamera/mju720sw/sample/

今年はじめてイルカの水中撮影に挑戦したい、という方には、実機を手にしてみないと何ともいえないのですが、現時点では、μ720SWのほうをおすすめします。その理由は…
まず、手軽に撮れること。片手で撮れること。イルカの目を見ながら、撮れますよね。
一緒に泳ぎながら、撮れますよね。これだけ小さければ。
ちょっと前ですと、コンパクトデジというとシャッターのタイムラグが非常に大きく、シャッターを押しても、実際の画像はそのちょっと後でイルカが画面におさまらなかったり。
これが私がコンパクトデジをあきらめていた最大の理由です。
現在では、あまりタイムラグがないのではないでしょうか。
カメラ雑誌などで、コンパクトデジは高感度だとざらざらになるって書いてあり、確かにそうです。しかし、最近は高感度でも以前よりきれいに写る(と思います)し、手軽さにはかえられないと思います。
それに、A4以上に印刷する人がどれほどいるでしょうか?2Lくらいであれば、ノイズがあってもコンパクトデジで十分かもしれません。
少なくとも、2002年に当時200万画素のコンパクトデジ+ハウジングで私が撮った「おはよー」はすごいきれいに写りましたし、(このときは全く偶然ちょうどうまい構図で撮れましたが)光と構図さえ選べば、AFさえついていければ普通に撮るのであればコンパクトデジが一番ですよ。
ただ、μ720SWはメディアが…..
E-330は、ハウジングに入れてイルカを撮るとなるとかなりの大きさになり、機動力に欠けます。しかも費用は数十万?
撮った写真を大きくのばしたいとか、こういうシーンを撮りたいとかこだわりがある方は、こっちでしょうね。
ただ、速いイルカにAFがついていけるかどうか..でしょうか。置きピンでもいいですけどね!
E-330のウリのライブビューに関しては、イルカ撮影には使えないでしょう。液晶を見ながらイルカは追えないと思います、やはりファインダーを見ないと!
そういう私はEOS-1Dをハウジングに入れて撮ってたりしますが ^^;
というのも、2004年当時は他に選択肢がなかったといえます。いや使ってみてほんと機動力に欠けるんです。やはりカメラは小さいほうがいいです。どんなに泳げる人でも、大きいカメラよりは小さいカメラのほうが自由に泳げますから。
一応、私はこれでも競泳マスターズで全国トップ10に入ったことがありますから…でもEOS-1D+ハウジングはきついです。
今年はデジタルでも撮りますが、機動力、写りともに抜群のニコノスでまたがんばってみようかと思っています。フィルムもいいものですよ!
個人的にはニコノスで100枚撮りくらいのフィルムがあって、連写が秒4コマくらいできたら、デジカメなんていらないかも(笑)
去年1年間イルカを撮って思ったことはこちらにまとめてあります。
今年、私が一眼デジでイルカを撮る意気込みについては…また別の機会に改めて書きましょう。

くらりっぱのイルカ写真分析 その3 失敗写真から学ぶ(1):適正露出で撮ろう



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この写真、以前ブログで例として紹介したものですが、実は失敗なんです。2004年6月。海の中が暗かったので、ISO500で、露出補整を-1アンダーにして撮影していたところ、上をイルカが通りました。とっさだったのでそのままの設定で撮った結果です。
明らかに暗い写真になってしまい、画像をPCで明るくし、海の彩度を上げてごまかしたのですが、思い通りに補正できませんでした。拡大するとわかりますが、ざらざらです。
デジタルだからといっていい加減に撮ると、ゴミ箱行きの写真をたくさんこしらえることになります。特に海の中は露出はシビアで、気をつけないと大変です。このへんはポジよりつらいかもしれませんね。
元画像を公開しちゃいます。こういう写真はどうしようもないです。


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ではこの場合はどうすればよかったか..理論上ですと、「逆光だからプラス補正で撮る」が大正解です。
しかし実際の海では、プラス補正にすると空が飛んでしまったりしてこればかりは経験して勉強するしかないでしょう(~o~)
自分で撮ってみて、思い通りの明るさに写っていれば、それが適正露出です。

月刊Diverのイルカ特集

もうご存知の方も多いと思いますが…
発売中の月刊Diver(2月号)で、越智隆治さんのイルカ写真や、イルカとの泳ぎ方、写真の撮り方の方法などが18ページにわたり詳しく紹介されています!
本屋さんで見てみてくださいね。
補足ですが、御蔵の海は暗いので、シャッター1/250はコンパクトデジカメでは無理っぽいかな?順光ではワイドで1/125がきれればOK,1/60が最低ラインというところでしょうか。ニコノスでも、1/125くらいでないとピントが合わなそうですが…逆光でしたら問題ありません。

イルカ撮影にExifデータを活用!

今年は、ただイルカを撮るだけではこれまでと同じ写真になってしまうと思っています。これまでに撮った写真を分析して、今後に活かしたいな〜と思ってました。
いままでのカラを破るには、いままでのことを熟知してないといけないので、ゴミとして捨てた写真(幸い、まだ保管してある)と残した写真の違いを見たり、シャッタースピードや絞り、露出の感覚を経験とカンだけでなく実際の撮影データに照らし合わせて学習し、新しい表現方法を模索するしかありません。
そこで考えたのが、イルカ撮影用Exifデータを写真から抽出し、表示したり、シャッタースピードが1/125の写真を検索したり、絞りが8の写真を検索したりできないかと。市販のソフトではExifデータの表示などはできますが、ISO感度によって写真をソートしたりとかはできませんよね。
幸いプログラムは得意なので、Exif対応掲示板のPerlモジュールを利用させていただき(※)、写真から必要なExif情報だけ抜き出すプログラムを半日ほどでつくりました。
これがHTMLオプションをつけて出力した結果で、ファイル名と写真と、Exifデータがわかります。


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写真をクリックすると、元画像が見れますので、画像の荒さやピントなどを確認できます。


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もちろん、水中だけでなく、デジカメで撮った写真ならなんでも処理できます。こういうツールってデジタル写真家にうけるでしょうか?
(※)Exif情報を抽出するプログラムの著作権は cachu さんが持っています。

くらりっぱのイルカ写真分析 その2 シャッター速度と絞りとISO感度(2)

曇りや雨の日にシャッタースピードをかせぐのは難しくありません。
?明るい方向を向いて撮ること。一番効果的なのは上を向いてとることでしょう。
逆光になりますから、イルカはもちろんシルエットになります。
しかし曇りや雨の天気だと、実際には色がくすみがちです。いい写真にするには工夫が必要でしょう。


※クリックで拡大します。
?水面近くで撮ること。水中では、ちょっと潜っただけで光量が減ります。
この場合、真横か少し上を向いて。
※ちょっとだけ晴れていれば、すぐ下を泳ぐイルカも撮れないことはないですが、ぶれやすいです。
 また天気が悪い日に下を撮る場合、海の中はかなり暗いため、普通に撮ると露出オーバーになりがちです。露出補正をアンダー側にしましょう。ネガフィルムの場合は露出補整しないでも大丈夫でしょう。


※クリックで拡大します。
ではこれ以外では曇りや雨の日は撮れないのでしょうか?
上級テクニックとして流し撮りがあります。
これは、イルカの泳ぐ方向にカメラも振りながら撮ると、イルカはとまり、背景が流れて写ります。
決まるといい写真になりますが、作品にするためにはかなりの技術が必要です。くらりっぱはまだ完全にマスターしていません。

くらりっぱのイルカ写真分析 その2 シャッター速度と絞りとISO感度(1)



ニコノスV,VENUS400(ISO400)、絞り8、シャッター1/125、晴天、2003年5月
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ニコノスV,VENUS400(ISO400)、絞り8、シャッター1/125、晴天、2003年5月
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今回は、シャッター速度と絞りとISO感度の話をします。
これは、コンパクトデジカメをハウジングに入れて撮ったり、ニコノスで撮ったり、デジタル一眼をハウジングに入れて撮ったり、だいたい全てに共通していえることです。
御蔵に限りますと、海はとっても暗いです。これはカメラマン泣かせです、なぜなら暗いところを撮るのは難しいからです。地上で、昼間の写真はちゃんととれるけど、夕方とか夜に、写真がぶれてしまいがちなのと同じことです。
海の中では、地上に比べて、2段〜3段以上、暗くなります。例えば地上でシャッターが1/500きれたとしても、同じ天候で海の中では1/125か1/60、あるいはもっと遅くなるということ。
一方、イルカをとめて写すには、最低で1/60くらいのシャッタースピードが必要です。
絞りのことを言いますと、一番よく写る絞り値はだいたい5.6〜8くらいでしょう。
ただ、この絞り値では、シャッタースピードがかせげないでしょう。「絞れば絞るほど、シャッタースピードが遅くなり、絞りを開ければ開けるほどシャッタースピードが速く」なります。
一番写りがよく、シャッタースピードもかせぐためには、最後の手段としてISO感度をあげることになります。フィルムでしたら、ISO400とかISO800のフィルムを使うし、デジタルでしたらISO400〜800くらいに設定するということです。しかし、ISO感度を上げるということは、画質が荒くなるということです。フィルムですと粒子の粒がざらざらになりますし、デジタルだとノイズが多くなります。
では、くらりっぱはどうしているかというと、天気によりISO感度を変えています。
・晴天のとき
フィルムならISO100〜400を入れる。ISO50を入れることも。
ニコノスなら絞りは「8」でシャッターはオート。
デジタルなら、ISO200〜640に設定。撮りたいシーンによりISOを調節する。
・曇り〜雨のとき
フィルムは、ためらいなくISO800。ポジの場合はISO400のフィルムを増感。ISO1600のことも。
ニコノスの場合、絞りは「5.6」でシャッターはオートか1/125〜1/60。
デジタルはISO800に設定。ただし画質は落ちるため、よっぽどのシーンがとれない限りはボツにする。800より上げることは通常ありえない。
コンパクトデジカメの場合は、ISO400で結構ざらざらだったりします(最近の機種はそうでもないかも?)ので、あげてもISO200にしましょう。ちゃんとした写真を撮るなら、すっごい晴天の日にISO50〜100で撮るのが一番おすすめです。絞りは開放(絞りの値を一番小さくする)がいいです。
これは一番基本となる撮り方。これでは曇りや雨の天気ではどうしようもない、と思うかもしれません。でも撮り方はあります。次回は曇りや雨のときの撮り方を説明しましょう。

くらりっぱのイルカ写真分析 その1 魚眼レンズ

私はたくさんイルカの写真を撮りますが、その中でボツにした写真、これはいい!と思う写真、ここはこうすればよかった…など、解説していきたいと思っています。参考にしていただければ幸いです。

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まずこの写真。
EOS-1Ds MarkII+15mm魚眼レンズで撮影。カメラはいわゆる、「フルサイズ」というもので、フィルムカメラにつくレンズがそのまま活かせるデジタル一眼です。
これ、ぱっと見た印象はいかがでしょうか?私は「へんてこ」って思います、光のすじがぐにゃっと曲がって、実際にはこんなふうに見えません。でも海の広さは伝わると思います。
魚眼レンズは、画面の対角線上で180度の視界が写る特殊なレンズで、ひろく写せる分、画面のまわりがかなり湾曲します。この場合ははっきり言って「失敗」だったなと思います。魚眼でなくて、14mmとか17mmとかで写せば、海の広さと共に光のすじも平行に入っていい写真になったな〜と。
ただ、船の上でのレンズ交換はできません(水没する〜!)ので、しょうがないといえばしょうがないのですが。この失敗を防ぐ手段としては、こういうのは撮影しないこと(笑)まあこのときは、この旅行ではじめてフルサイズに魚眼をつけたので、うれしくて何でも撮っちゃったのですが。こういうの撮るからメディアがいっぱいになり、肝心なときに撮れないんです(笑)
教訓:光のすじを撮りたいときは、魚眼は使わないこと!

水中写真

水中写真て、陸上写真と共通するところも多いけど、水中特有のこともありますね。共通してるのは構図とか、光の向きとか、アングルとか。特有のことはなんといっても「ブルーの世界」ということでしょう。
私自身、それほど、海の「ブルー」についてはこだわりはなかったのですが、去年のあるとき、私の写真を見た方から「水中写真はブルーですね」みたいなことを言われまして、はっとしました。このときから私の「色」に対するこだわりが生まれたわけです。それ以来、それを私の「個性」として伸ばしたいと思っており、その方には本当に感謝しています。この話の続きは後日として。
さてブルーがブルーに写るのは当たり前ですが、デジタルで写すと結構違うんです、思った色と。みなさんもデジタルをハウジングに入れて撮ってみて、おやっと思ったことはありません?(最近のはよくできてますのでないかもしれませんが…)
色の特性を理解すると、より写真もよくできると思います。水中写真、などで検索するといろいろ出てきますよ、みなさんも勉強してみてくださいね。