くらりっぱのイルカ写真分析 その2 シャッター速度と絞りとISO感度(2)

曇りや雨の日にシャッタースピードをかせぐのは難しくありません。
?明るい方向を向いて撮ること。一番効果的なのは上を向いてとることでしょう。
逆光になりますから、イルカはもちろんシルエットになります。
しかし曇りや雨の天気だと、実際には色がくすみがちです。いい写真にするには工夫が必要でしょう。


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?水面近くで撮ること。水中では、ちょっと潜っただけで光量が減ります。
この場合、真横か少し上を向いて。
※ちょっとだけ晴れていれば、すぐ下を泳ぐイルカも撮れないことはないですが、ぶれやすいです。
 また天気が悪い日に下を撮る場合、海の中はかなり暗いため、普通に撮ると露出オーバーになりがちです。露出補正をアンダー側にしましょう。ネガフィルムの場合は露出補整しないでも大丈夫でしょう。


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ではこれ以外では曇りや雨の日は撮れないのでしょうか?
上級テクニックとして流し撮りがあります。
これは、イルカの泳ぐ方向にカメラも振りながら撮ると、イルカはとまり、背景が流れて写ります。
決まるといい写真になりますが、作品にするためにはかなりの技術が必要です。くらりっぱはまだ完全にマスターしていません。

くらりっぱのイルカ写真分析 その2 シャッター速度と絞りとISO感度(1)



ニコノスV,VENUS400(ISO400)、絞り8、シャッター1/125、晴天、2003年5月
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ニコノスV,VENUS400(ISO400)、絞り8、シャッター1/125、晴天、2003年5月
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今回は、シャッター速度と絞りとISO感度の話をします。
これは、コンパクトデジカメをハウジングに入れて撮ったり、ニコノスで撮ったり、デジタル一眼をハウジングに入れて撮ったり、だいたい全てに共通していえることです。
御蔵に限りますと、海はとっても暗いです。これはカメラマン泣かせです、なぜなら暗いところを撮るのは難しいからです。地上で、昼間の写真はちゃんととれるけど、夕方とか夜に、写真がぶれてしまいがちなのと同じことです。
海の中では、地上に比べて、2段〜3段以上、暗くなります。例えば地上でシャッターが1/500きれたとしても、同じ天候で海の中では1/125か1/60、あるいはもっと遅くなるということ。
一方、イルカをとめて写すには、最低で1/60くらいのシャッタースピードが必要です。
絞りのことを言いますと、一番よく写る絞り値はだいたい5.6〜8くらいでしょう。
ただ、この絞り値では、シャッタースピードがかせげないでしょう。「絞れば絞るほど、シャッタースピードが遅くなり、絞りを開ければ開けるほどシャッタースピードが速く」なります。
一番写りがよく、シャッタースピードもかせぐためには、最後の手段としてISO感度をあげることになります。フィルムでしたら、ISO400とかISO800のフィルムを使うし、デジタルでしたらISO400〜800くらいに設定するということです。しかし、ISO感度を上げるということは、画質が荒くなるということです。フィルムですと粒子の粒がざらざらになりますし、デジタルだとノイズが多くなります。
では、くらりっぱはどうしているかというと、天気によりISO感度を変えています。
・晴天のとき
フィルムならISO100〜400を入れる。ISO50を入れることも。
ニコノスなら絞りは「8」でシャッターはオート。
デジタルなら、ISO200〜640に設定。撮りたいシーンによりISOを調節する。
・曇り〜雨のとき
フィルムは、ためらいなくISO800。ポジの場合はISO400のフィルムを増感。ISO1600のことも。
ニコノスの場合、絞りは「5.6」でシャッターはオートか1/125〜1/60。
デジタルはISO800に設定。ただし画質は落ちるため、よっぽどのシーンがとれない限りはボツにする。800より上げることは通常ありえない。
コンパクトデジカメの場合は、ISO400で結構ざらざらだったりします(最近の機種はそうでもないかも?)ので、あげてもISO200にしましょう。ちゃんとした写真を撮るなら、すっごい晴天の日にISO50〜100で撮るのが一番おすすめです。絞りは開放(絞りの値を一番小さくする)がいいです。
これは一番基本となる撮り方。これでは曇りや雨の天気ではどうしようもない、と思うかもしれません。でも撮り方はあります。次回は曇りや雨のときの撮り方を説明しましょう。

入選作品とリンク集更新

[くらりっぱの入選作品] を更新しました。
・「地球ノカケラ」…くらりっぱの写真を含む写真集が今月発売されます。
・最近のフォトコン入選作品を追加。
・2003年の入選作品「壮大」を(やっと!)アップ。
リンク集を更新しました。
・御蔵島 にしかわ へリンク。
・写真関係のリンクを整理、URL変更などに対応。
気がついたら作者紹介がすごい昔じゃないですか!というわけで今度は作者紹介を更新したいと思います。